【店舗デザイン】ヘアサロン-かみするととり-
鳥取市青谷に移転オープンされたヘアサロン『かみするととり』。新築の住居の一室をご自身のヘアサロンにしたいというご依頼をいただき、弊社はサロン部分の内装と外装(外構除く)デザインプロデュースを担当させていただきました。
通りから少しだけ奥まったところに「佇むよう」に在る「かみするととり」。この立地を最初に見学に来た時、建築物を建てるというイメージより、スッと誰かがさりげなく置いていったみたいな存在感がいいなと思いました。
そういった控えめな在り方、だけど惹きつける不思議な魅力。看板や案内標識ではなく、この角を曲がれば何かありそうという歩き方の人が嗅ぎつけるオーラを放つような雰囲気を持っているイメージ。
アンティークのドアや木製建具。店主さん自らDIYでチャレンジされた看板。それを照らす照明。ひとつひとつにこだわることはもちろんですが、ネオアンティコスが大切にするのはそれぞれにある「間」。
どこに何を配置するか、そして何を配置しないかが大事。それぞれのモノが語る自分の居場所を聞き、お互いが影響を及ぼし合うことに心地よさを感じるような間を用意すること。
今回は新築という経験のないチャレンジの中で、それらの作業を図面と頭の中だけで行うのがとても難しかったです。
店主さんがDIYで制作された看板。木材は四角ではなくフリーハンドでカット。今回、看板は最終工程なのに、取り付けてみると既にずっとあったみたいな感覚。きっと店主さんも感じておられるはず。
これは偶然ではなくて必然。手順をひとつずつ噛み締めるようにここまでやってきておられる店主さんだから感じることができるギフトのようなもの。「しっくりくる」に偶然はないのですね。
看板だけでなく、その感覚がサロン内にも随所にあります。ここにくるために作られたんじゃないかと思うような。最初からここにあったんじゃないかと思えるような。
そういう全く派手さのない感覚に浸るのが私(田村)の趣味でもあるのです(笑)。。
室内の壁も店主さん自ら塗られた漆喰。カウンターも無塗装の状態で購入し、店主さんがエージング塗装。凄すぎます。。
美容師さんである店主さんが使う道具。それらが乗っているスチールパイプのワゴンは移転前のサロンから持ってこられたもので、色が剥がれていたりして残念な感じだったそうです。
「それがなぜかここにくると素敵なワゴンに見える」と店主さんは言います。それこそが「何もしない」「無い」という表現です。
お洒落や素敵さは「モノ」ではなく「コト」に宿ると思うのです。
作業台ではカラー剤の調合などをされるそうです。オークの古材を使いました。弊社にストックしてあったとっておきの物を提供させていただきました。
今回もたくさんの方々にご協力いただき、無事にやり切ることができました。
ありがとうございます!